雨漏り修理の悪徳業者の特徴・見極め方
住宅にまつわるトラブルの中で、厄介なものの一つが雨漏りです。雨漏りは建物に雨が侵入する状態で、部屋の中に水たまりができ、壁や天井にシミを作るなど非常に困る現象です。できるだけ早く直したいと焦るあまり悪徳業者に依頼してしまい、大変な目に合う方もいます。今回は雨漏り修理の悪徳業者の特徴や見極め方を紹介します。
なぜ悪徳業者が存在するのか
雨漏りの修理を行う業者には悪徳業者が多いといわれます。なぜ、悪徳業者が存在するのでしょうか。その理由は3つあります。
1つ目の理由は建物の持ち主が早く雨漏りを止めたいと焦ってしまうからです。雨漏りは雨が降るたびに発生するもので、放置すると被害が目に見えて拡大します。すると、建物の持ち主は一刻も早く解決したいと焦ってしまい、業者に足元を見られてしまうのです。
本来であれば、複数の業者に相見積もりを依頼し、業者とじっくり相談して見積もりを確認しながら工事業者を選定するべきなのですが、雨漏りを止めたいという意向が最優先してしまい、相見積もりや見積もり確認をしっかり行わず、見切り発車のように契約してしまいがちです。悪徳業者からすれば絶好の「カモ」に見えるでしょう。
2つ目の理由は建物の持ち主と業者に知識の差があるからです。一般的に、住人は建物の構造について詳しくありません。雨漏りにはさまざまな原因があります。主なものだけでも、屋根材のずれ、谷樋(たにどい)板金の腐食、棟板金の釘浮き、雨樋の詰まり・破損、過度なコーキング、漆喰の崩れなどがあります。
もし、太陽光発電パネルを設置していたら、その工事のときに屋根が破損した可能性もあります。こうなると、素人の知識では太刀打ちできません。悪徳業者は、この知識差を利用して高額請求をしてくるのです。
3つ目の理由は見えない場所で作業するからです。もともと、業者が行う修理の様子は建物の持ち主から見えにくい場所で行われますが、屋根裏や屋根の上の作業は、屋根の下からではほとんどわかりません。見えないところで作業するので、手抜きの作業をしていてもわからず、していない作業をしたことにするなどで過剰な請求をしやすい環境にあるといえるでしょう。
このように、雨漏りの修理は、悪徳業者にとって不正しやすい案件なので悪徳業者が存在しやすいといえます。
信頼できる業者を選ぶことが大切!
悪徳業者の多くは、訪問販売の形をとって営業してきます。そして、いきなり「屋根材がズレていて危ない」とか「経年劣化が進んでいるので、放置すると大変なことになる」といって屋根の不具合を指摘します。ここで大切なのはいきなり契約せず、名刺をもらっておき、メーカーに問い合わせて真偽を確認することです。
無料で点検するといって屋根に上がろうとする業者も要注意です。先ほども述べたように、屋根の上での作業は下からではほとんどわかりません。屋根を直すどころか、意図的に破損させて次の修理につなげるといった被害事例もあります。
見知らぬ業者を自宅の屋根にあげてしまうのは、かなりのリスクだと認識するべきでしょう。そうならないためにも、無料点検にすぐに応じず、懇意の業者やメーカーに問い合わせたほうがよいでしょう。
近所で屋根修理を行っているので、格安で工事できるという営業にも注意が必要です。リフォームでもよくある手口ですが、キャンペーンや格安工事を宣伝し、実際には相場よりも高い契約をさせようという手口が後を絶ちません。住人が修理相場を知らないことを利用し、高い工事代金を支払わせる手法といってよいでしょう。
まとめると、飛び込みでやってくる訪問販売の業者で、かつ、相手を不安にさせる業者や無料点検を提案する業者、格安での工事を提案してくる業者には注意するべきだということです。
こういった被害に遭わないためには、普段から関わりを持つ信頼できる業者を見つけておくことが大切です。何かあった時にすぐに相談できるかかりつけ医のような業者がいれば、悪徳業者の被害を未然に防げるでしょう。
悪徳業者はどうやって見分けるの?
悪徳業者を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。
1つ目は訪問販売や電話勧誘に気を付けることです。決して、即断即決して契約してはいけません。2つ目はホームページや資料で過去の実績を確認することです。このとき、業者の身元も確認できるとよいでしょう。
3つ目は見積書を確認することです。とくに、費用の明細で不自然なものがないか、材料費が高く計上されていないかなど注意が必要です。他者に持ち込んで、不自然な点がないか確認するのもよい方法でしょう。もし、業者が見積もりを要求されても渡さないなら、かなり怪しいといえます。
最低でもこの3点をチェックすれば、悪徳業者にだまされる確率を大きく減らせます。
まとめ
今回は雨漏り修理の悪徳業者の特徴や見極め方について解説しました。悪徳業者は顧客と業者の知識差を利用し、あらゆる方法で相手をだまそうとしてきます。訪問販売に気を付け、相手の実態を確認するだけでは被害を防げないかもしれません。そうならないためにも、普段から懇意にする信頼できる業者を選んでおく必要があるのです。